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​総合診療科

人間ドックを有効活用して 健康生活を送りましょう

木暮 道夫

医療法人 社団美心会 黒沢病院 総合診療科部長 兼 消化器外科部長

 一般検診とは異なり、人間ドックは様々な角度から体に異常がないかを調べる手段です。船の“dock”と同様に、人生の長い航海に備えて悪いところがないかをチェックするのです。普通、体のどこかが悪ければ病院に行きますね。逆に言えば、どこも悪くなければ、病院なんか行かないです。しかし、病気とは恐ろしいもので、病気のなり始め、いやもっと言えば病気になるその前段階においては、自分は病気だなんて思わないのです。そこで人間ドックです。自覚症状のない病気、将来病気を引き起こす可能性のある体の変化を見つけます。早期発見は早期治療につながりますから、体にかかるダメージも少なく、健康で有意義な長寿を全うできます。

 人間も生物ですから遺伝子で制御されています。遺伝子の異変を調べたり、個人の特有の体質・特有の遺伝子情報を解析することで、より早く病気を察知できる未来はそう遠くのことではないと思います。しかし、現状ではまだまだ実用段階に達していないことも多く、陽性と診断された時の不安に対する対応や、仮に否定されても、精度の問題や未知の遺伝子の可能性など、不確実な要素も強いのが現状です。

 美心会黒沢病院ヘルスパーククリニックの人間ドックに目を転じましょう。ここには皆さんのデータ、画像が脈々と蓄積されています。続けることで、そのわずかな変化も逃さないのです。診断機器も最新鋭のものを導入し、精度を常に追求しています。人の目でチェックする部分は常にダブルチェックが基本です。県内トップクラスの専門医が複数の目で異常を察知します。

 ここまでは、どこの人間ドックでも行われていることです。私たちが企画しているのはここから先です。すなわち、病気になっていなければよい、とする消極的なスタンスから、人間ドックを有効活用することで、より健康な体を作り、いつまでも若々しい身体を自分のものとしていただきたいのです。いくつか例を挙げてみます。

  1. メタボリックシンドローム、肥満、フレイル、運動不足等、様々な健康不安を持つ方々に対し、積極的に、栄養・運動両面からの改善方法を一緒に考え進めていきます。高齢の方にも、栄養リハビリテーションの考え方を提案します。

  2. ドックと同時に歯科チェックを提案します。見た目だけでなく、口は自分の健康を作る窓口であり、健康を守る門番でもあります。できるだけ早い時期から口腔をしっかり管理することが健康を維持する一つでもあります。高齢になれば、自分でかむ能力を保つことは、誤嚥の予防だけでなく、認知機能の維持にも重要です。

  3. 最後に老化を予防することを提案します。20代後半から老化は始まるといわれています。私たちにとって、老化は避けられないものですが、体の一か所でも老化が進行すると、引きずられるように全身の老化が進行してしまいます。老化の指標として、筋、血管、神経、ホルモン、骨を各年齢評価し、これにストレス因子として免疫、酸化、心身、糖化の各因子を考慮し、生活習慣の改善を含めて、機能年齢の老化防止を目指します。

こんなワクワクするような発見を、人間ドックで経験することができます。

 私たちのヘルスパーク・ワールドでお待ちしています。

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