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歯科

健康寿命と口の関係
歯磨きだけでは守れない、認知症とフレイルを予防する新常識

小林 充典

医療法人 社団美心会 黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 歯科医長

日本では「老衰」を死因とする死亡数ががん、心疾患についで、3番目に上がってきました。これは高齢者が介護施設で最期を迎える機会が増えていることが背景にあるようです。世間では老衰による死は「天寿を全うして迎える安らかな死」というイメージがあるかと思います。老衰死の前兆は認知症の末期に見られる症状と似て、認知症からの老衰が死因と見なされることが多いとも考えられます。認知症のうち最も多いアルツハイマー型認知症の発症リスクが、奥歯のかみ合わせが失われると34~54%高まるという報告があります。重度の歯周病の歯があると脳の記憶を司る海馬の萎縮を速めるとの報告もあります。本当の意味でのピンピンコロリの実現には、認知症は避けたいところです。そのためにもしっかりとした歯を多く残すことは認知症予防になるということです。歯磨きはそのための1つですが、残念ながらそれだけでは歯は守れません。「歯と口の機能」と「健康寿命」の関係についての新常識をお伝えします。

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