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泌尿器科

前立腺がんの検診・診断について

​大木 亮

医療法人 社団美心会 黒沢病院 理事長補佐 兼 透析センター長

前立腺がんは黒人や白人に発症頻度が多く、以前よりアメリカでは男性がんの中で第1位の罹患数となっていました。近年日本でも社会の高齢化とPSA検診の普及、高脂肪食など食生活の欧米化の影響で前立腺がんの罹患数が増加しております。また死亡数も徐々に増加しており、年間約12,700人(2020年)もの方が前立腺がんで死亡しています。死亡数を減少させるために早期発見・早期治療が必要ですが、初期の前立腺がんは症状が出にくいため、早期発見にはスクリーニング検査が重要になります。

人間ドックや住民検診で行われる「PSA検査」について理解を深めていただき、前立腺がんの診断までの流れについて解説させていただきます。

泌尿器科ロボット支援手術と前立腺肥大症の最新治療

古谷洋介

医療法人 社団美心会 黒沢病院 統括診療部長 兼 ロボット手術センター長

 当院では手術支援ロボット「da VinciダビンチXi」を導入し、2022年6月から泌尿器科における前立腺癌、腎癌に対するロボット支援腹腔鏡手術を開始しました。

 ロボット支援手術は腹腔鏡手術をさらに発展させたもので、従来の腹腔鏡手術と同様に手術の傷が小さく、出血が少ない等、患者さんの身体に負担が少ない特徴をもちながら、手術支援ロボットを医師が操作することでさらに繊細な手術を行うことが可能です。そのため通常の腹腔鏡手術と比較しても術後合併症の軽減や手術時間の短縮などのメリットがあります。

 今回、最先端手術であるロボット支援手術について分かりやすく説明させて頂きます。合わせて多くの男性が悩まされる前立腺肥大症の新しい手術療法についても解説します。

くすりで良くならない過活動膀胱、どうしますか?
~手術という方法もあります~

曲友弘

医療法人 社団美心会 黒沢病院 排尿機能部長

 尿漏れ(尿失禁)は、がんなどとは異なり生命には直接関わりませんが、QOL(quality of life:生活の質)を損なう疾患です。患者さんの数は男女を問わず非常に多く、重要な疾患と言えます。尿漏れは、お腹に力がかかって漏れる腹圧性尿失禁と、急に尿意を感じて漏れる切迫性尿失禁(過活動膀胱)に大きく分かれ、今までは前者のみが手術の適応でした。後者の中で、くすりで良くならない難治性過活動膀胱に対する手術も数年前から保険適応になり、当院でも行っています。今回の講演では、特にこれらの手術療法(ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法、仙骨神経刺激療法)を中心にお話ししたいと思います。過活動膀胱は女性だけでなく男性にも見られる症状ですので、性別を問わず聴いて頂く価値があると考えています。今回の講演にて、年のせいと諦めますか?一歩踏み出してみますか?を考えて頂きたいと思います。

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