
内科
携帯型/装着型心電図の有用性と適切使用
小路 祥紘
医療法人社団美心会 黒沢病院 救急部長
動悸や失神、脳梗塞に対しては通常の心電図や古典的な24時間ホルター心電図では診断がつかないことが多い。昨今、精度の低い心電計を用いて不整脈を診断し、治療している臨床医がいることが問題視されている。心電図装置としては、ホルター心電図の他に貼付型心電図、手操作心電図、スマートフォンを用いた心電図記録、時計型心電図、植込み型ループ式心電計がある。本講演では、これらの心電図装置の適切使用に関して、2025年3月に日本不整脈心電学会/日本循環器学会から公表されたコンセンサスステートメントをもとに解説する。
早期消化管癌治療である内視鏡的粘膜下層剝離術の紹介および国際医学会発表までの私の英語学習法
太田 英孝
医療法人社団美心会 黒沢病院 内視鏡部長
当院にて10年間で約400件の内視鏡的粘膜下層剝離術を行ってきました。この治療法は早期消化管癌治療にとても有効な治療法です。しかし、治療には高度な技術が用いられ、精密な内視鏡治療が行われています。この治療法に関して概説し、この最先端の治療法を世界の消化器病学会で英語で発表するまでの私の英語学習法をご紹介します。2023年アジア太平洋消化器病学会(タイ開催)での海外国際学会発表を行いました。2024年韓国国際消化器病学会、台湾国際消化器病学会にて治療内容を発表し、韓国では優秀論文賞を受賞しました。2025年ヨーロッパ消化器病学会でドイツにて治療の発表を行いました。実は私にとっての英語学習のきっかけは我が子が小学校に上がり、英語を教えたいと考え、英語学習法を調べたことがきっかけでした。英語力アップの秘訣は継続です。では、どうすれば継続できるのか?継続のコツは楽しむことです!楽しむためのコンテンツはどのようなものがあるか?今はネット社会で様々な英語学習法があります。私は数年の学習の後、子供と受験した英検で準1級に合格できました。私の好きな学習法をご紹介します。参考にして頂けたら幸いです。是非、聞きに来てください。
糖尿病について ―最近の話題など含めて―
余財 亨介
医療法人社団美心会 黒沢病院 糖尿病内科部長
現在世界の糖尿病患者数は約5億8900万人と9人に1人と30年間で約4倍に増えてきています。我が国でも約2000万人と5人に1人認めており世界で11番目に多い糖尿病大国となっています 。糖尿病の病名の由来は蜜のように甘い尿が出るとの意味で我が国最初の糖尿病患者は平安時代の藤原道長と言われています。糖尿病の病名は実態を的確に表していないため新しい呼称への変更として2023年9月22日、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が合同で「ダイアベティス」と提唱されました。糖尿病は初期にはほとんど自覚症状ありませんが高血糖の状態が続くと口喝、多飲、多尿、体重減少など症状は出現してきます。糖尿病合併症は神経障害、網膜症、腎症など細小血管障害以外に脳梗塞、心筋梗塞、足壊疽など動脈硬化による大血管障害も起こります。治療の基本は食事療法、運動療法ですが現在の薬物療法はさまざまな製剤を使用することが可能となっています。糖尿病治療の目標は合併症を予防、進展阻止して健康な人と変わらない日常生活を送ることとなります。