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泌尿器科

黒沢病院における先進的な前立腺がん診断方法:検診・新規腫瘍マーカー・MRI・標的生検

伊藤一人

医療法人 社団美心会 黒沢病院・院長、同 予防医学研究所・所長

近年の前立腺がん診断法の進歩は目を見張るものがあります。黒沢病院では、高崎市前立腺がん検診や人間ドックで広く前立腺特異抗原(PSA)検査を行っていますが、異常者に対して先進的な前立腺がん診断が実施可能です。当院の特徴は、①我が国の前立腺MRI検査の第一人者である島根大学医学部放射線医学講座の楫教授が当院のMRI検査の最適な撮像条件を設定し、画像診断を担当していることです。また、②確定診断となる前立腺生検は、群馬県で初めてMRI検査での異常部位と生検時のエコー画像を融合させ、正確にMRI画像での異常部位の組織を採取するMRI標的生検を導入し、現在は週に2~5例実施しており、県内で最も経験豊富で、県内の他の専門医療機関からも紹介があります。そして、③がん特異的な腫瘍マーカーであるプロステートヘルスインデックス(phi)を2022年4月より外来検査に導入しており、PSA異常者の中から生検が必要な人の絞り込みをより正確に行っています。講演では、当院における前立腺がん診断の検査の手順と、①~③の検査方法の特徴や具体的な検査方法についてわかりやすく解説いたします。

前立腺がんの疫学・検診・診断について

大木 亮

医療法人 社団美心会 黒沢病院 理事長補佐 兼 透析センター長

前立腺がんは黒人や白人に発症頻度が多く、以前よりアメリカでは男性がんの中で第1位の罹患数となっていました。近年日本でも高齢化とPSA検診の普及、食生活の欧米化などの影響で前立腺がんの罹患数が増加しております。死亡数も多く、年間約1万人以上の方が前立腺がんで死亡しています。死亡数を減少させるために早期発見・早期治療が必要ですが、前立腺がんは症状が出にくいため、早期発見にはスクリーニング検査が重要になります。

人間ドックや住民検診で行われる「PSA検査」について理解を深めていただき、前立腺がんの診断までの流れについて解説させていただきます。

泌尿器科ロボット支援手術について 〜最先端の手術治療〜

古谷洋介

医療法人 社団美心会 黒沢病院 統括診療部長 兼 ロボット手術センター長

 当院では手術支援ロボット「da VinciダビンチXi」を導入し、2022年6月から泌尿器科における前立腺癌、腎癌に対するロボット支援腹腔鏡手術を開始しました。

 ロボット支援手術は腹腔鏡手術をさらに発展させたもので、従来の腹腔鏡手術と同様に手術の傷が小さく、出血が少ない等、患者さんの身体に負担が少ない特徴をもちながら、手術支援ロボットを医師が操作することでさらに繊細な手術を行うことが可能です。そのため通常の腹腔鏡手術と比較しても術後合併症の軽減や手術時間の短縮などのメリットがあります。

 今回、最先端手術であるロボット支援手術について分かりやすく説明させて頂きます。

女性だけでなく男性にもあります、過活動膀胱~手術のお話を中心に

曲友弘

医療法人 社団美心会 黒沢病院 排尿機能部長

尿漏れ(尿失禁)は、QOL(quality of life:生活の質)を損なう疾患として中高年の男女を問わず非常に多く、かつ重要なものです。お腹に力がかかって漏れる腹圧性尿失禁と、急に尿意を感じて漏れる切迫性尿失禁(過活動膀胱)に大きく分かれ、今までは前者のみが手術の適応でした。最近後者(難治性過活動膀胱)に対する手術も保険適応になりました。今回の講演では、特にこれらの手術療法(ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法、仙骨神経刺激療法)を中心にお話ししたいと思います。過活動膀胱は男性にも見られる症状ですので、男性の方もお越し頂ければと思います。今回の講演にて、年のせいと諦めますか?一歩踏み出してみますか?を考えて頂ければと思います。

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